ふるかわれもんのブログ

絵本作家・イラストレーターふるかわれもんの日記です。最強になりたい!

ハンドメイド作品に対して ”原価を聞く” ”高いと口に出す” ことによる最大の損失

私はなぜ今でも、アクセサリーを作って販売するという活動を続けることが出来ているんだろう、と時々考えることがあります。


私が自作のアクセサリーを販売する活動を始めたのは10数年前のことです。


当時私は、バンドを組んでライブ活動をしていました。
ライブをする時には物販スペースを貸してもらえるのですが、

普通はどのバンドもそこにCDやTシャツ、缶バッジなどを並べています。


私のバンドの物販スペースには、麻紐と天然石で作ったペンダントやブレスレット、ビーズの指輪などを並べ、照明器具2つでライトアップし、とても目立っていました。

 


私は10年以上ライブ活動をしましたが、バンドなどのミュージシャンの物販スペースでハンドメイドアクセサリーを販売している人を目にしたことは一度もありませんでした。

 


もちろんCDもアクセサリーと一緒に並べていたのですが、隅の方にちょこんと置いていました。
それでも不思議なことに、アクセサリーを販売してCDを隅に置いている時と、アクセサリーを置かずにCDメインで並べる時と比べても、CDの販売枚数にそれほど差はありませんでした。


むしろズラリとアクセサリーを並べている時の方が目立つので、物販スペースに足を運んでくれる人は多かったです。
同じ日にライブをした他のバンドさんが私のバンドの物販スペースに来て、
「へ〜。これは目立つなぁ。」
などと独り言を言って去っていったり。w

“バンドの物販スペースにハンドメイドアクセサリーを並べて販売する”
これは私にとってとても大きな挑戦でした。


その頃はminne(ハンドメイド作品を展示・販売出来るウェブサービス)なども無かったですし、


「アクセサリーを作るのが好きだけれど、販売する方法無いかな??
友達にセールスするのは嫌すぎるし‥。
‥‥あ!!
物販スペースに並べてみよう。
そんなことしてる人見たこと無いけど、
やってみて注意されたら片付ければいいか。(^_^;)」

 


“そして、ハンドメイドアクセサリーを販売する”
という活動の一歩を踏み出しました。


そして、予想していたよりもたくさん売れて嬉しかったのを覚えています。


「わー!!この指輪めっちゃかわいいー!!」
と、テンション上がりながら買ってくれた女の子。


無表情・無言でブレスレット買ってくれた、対バン(同じ日に出演したバンド・ミュージシャン)の男性がすぐに腕につけてくれ、別の日に偶然ライブハウスで見かけた時にもつけてくれていた、ということが2回もあったり。


自分のバンドのメンバーの1人がペンダントを買ってくれて、会う度にいつもつけてくれていたなど。


本当に嬉しすぎました。
私はこの時の経験に支えられているから、今もスローペースながらも続けることが出来ているのではないかと思います。

 

 


当時の私は、ハンドメイドアクセサリーを販売する
“初心者”でした。


今では、ネットでの販売や出店など、ある程度経験を積んだり情報を得たりしているので、


突然


「これ原価いくらですか?」
「高いですね〜。」
「原価¥200くらいしかかかってないでしょ?
せめて¥500にしてよ。」


などの言葉を投げかけられても上手く受け流したり出来るようになりました。


実際に時々、そういう方がいらっしゃいます。

 


でもそんな言葉をまだ
“初心者”
の時に言われてしまったとしたらどうなるでしょうか?


例えば、始めて出店した時に面と向かって


「これ¥900もするんだ〜」
「原価いくら?」
「もっと安くならない?」


と言われてしまったら。

 


例えば、ネット販売を始めてすぐの時にそんな言葉を文字で受け取ってしまったら。


私だったら、すぐに辞めてしまう気がします。


何日も泣き腫らしてしまうかも知れません。


“原価を聞く”
“値段が高いと口に出す”


これらは、


「これにそんな価値無いよ!」
「あなたの技術や手間、アイデアにそんな価値があるように思えない。」


そう言ってるのと同じです。

 


長く活動を続ける中で強くなれた作家さんは


「あーまた来た。」
「とりあえずブロックしよ。」

「この人には売らない。」


と思うだけなので大丈夫なこともあります(もちろんそうでない方もいらっしゃると思います)。

 


活動を続ける中でたくさんの出会いがあります。
いつも買ってくれたり、応援してくれる方、
出店した時にはわざわざ足を運んでくれて笑顔でお買い上げいただき、更に差し入れまでしてくれる方がいる。
ネットでオーダーしていただき、さらに後日、そのお客様が住んでいる場所の名産の食べ物を送ってくださる方など。


…有り難すぎて涙が出そうになります…。

 


その反面、原価を聞いてくる方がいる。
この状況で


「原価いくら?」
「高っ!」


と言うメリットはあるでしょうか?


多分、損するだけです。

 

素敵な方との差が凄すぎるからです。

 

お客様を比べるなんて意識していませんが、

心無い言葉を投げかけてくる方に出会うと勝手にその差に意識が行きます。

素敵な方に

 

「ありがとうございます」

 

という気持ちがいつもあるので

心無い言葉へは、強い意志で

 

「とりあえずスルーしよ。」

 

となり、
値下げには応じませんし、
その後で、最初から書かれていた値段で買いますと言われても


「この人には売りたくない」


と思われるかも知れません。

 

 

作家さんがスルー出来る。

こうなればまだ良いんです。

心無い言葉を言った方が損をするだけだからです。

 

 


私が


“原価を聞く”
“高いと言う”


ことによる最初の大きな被害は、


“それによって活動を辞めてしまう人が居る“


という事だと思っています。

 


私は活動を始めた頃に素敵な方に作品を購入していただいたおかげで、今でも活動を続ける事が出来ています。

それはとてもラッキーな事でした。


そして、活動を続ける中で素晴らしい体験をたくさんしました。


辞めてしまっていたらそれらが起こらなかった、と思うと悲しい気持ちになりますし、その後違うジャンルの創作活動に挑戦する、という事も無かったかも知れません。


新しいことに挑戦するのはとても勇気がいります。

 

すごく勇気を振り絞って挑戦を始めた方ほど、心ない言葉で折れやすいです。


挑戦者は皆、金の卵です。


最初はみんな初心者で、活動を続ける中で良い刺激を他のクリエイターにも与えたり、自分も与えられたりしながらそのジャンルを盛り上げ、
それを見たり触れたりする方が気に入ったりテンションが上がったり、購入して幸せな気持ちで身に付けたりする。

 


“初心者に優しくないジャンルは衰退する”
こんな言葉を読んだことがありますが、本当にその通りだと思います。

 


“原価を聞く”
“高いと口に出す”


それによって私が一番の損失だと思う事は


“そのジャンルが衰退する可能性がある”


という事です。

 


金の卵を潰し、そのクリエイターが活動を辞め、素晴らしい経験が出来たかも知れない未来が消え、
他のたくさんのクリエイターに良い影響を与えたかも知れない未来が消える。
そんな事があちこちで起き、そのジャンル全体が衰退する。


そして最終的に、そういった活動や作品を楽しんで見てくれる方にも影響します。


活性化している方が面白い作品、美しい作品、楽しい作品などどんどん生まれやすいからです。


私はクリエイターである前に、見たり購入して幸せになっている人です。


たくさんの素敵な作品を見たり手にしたりするのはとても幸せです。


家庭の事情などで活動を辞めてしまう方も居ます。
もちろん、辞めてしまうのは悪い事ではありません。
でも、本当は活動を続けられたのに心無い言葉によって傷付き、断念してしまう人が居る。


それはとても悲しい事であり、そのジャンルを衰退させ、

たくさんのクリエイター、見たり購入する方など、たくさんの方に影響します。

 

初心者の方、

挑戦している方、

活動を続ける方に優しくなる。

そうする事によって、より楽しい未来がやって来ます。

 

 


最後に、私が初めて委託販売をさせていただいたお店の代表の方に言われた言葉をご紹介します。


「ふるかわさん、値段について口出しするのは申し訳ないけど、もっと値段上げたらいいよ。
僕は今まで、作品の値段を上げられなかった事で
利益があまり得られなくて、
辛くなって潰れていったクリエイターをたくさん見てきた。」


私は今、この言葉の意味をとても実感しています。


「本当にそうだな。
作るのにあまりにも手間と気力がいるのに

値段を上げられなかった事によって、

心が辛くなって作れなくなってしまったものもある。

だから良く分かる。」


と。

 


そして、今までに作品を買っていただいた方、
SNSでいいねを押してくれたり拡散してくれたり、応援してくれる方。

私の活動は、いつも皆さんに支えられています🙏🙏🙏🙏

いつも本当にありがとうございます!!!

 

 

 

☆彡☆彡☆彡


私のハンドメイド作品はこちらで通販しております☆

minne.com

 


「創作活動を始めてみたい、けどなかなか勇気が持てない!」
そんな方に向けた本も出版しました(^_^)